一定のフォロワー数を獲得するまで育ったSNSアカウントは、売却できます。買取もできます。買取して転売すれば、利益を得られる可能性もあります。
2024年9月現在、SNSアカウントの売買に関する法令は整備されていません。「アカウントを譲渡したのに入金されない」「アカウントを買取したのにフォロワー数等が虚偽だった」などの問題は別ですが、現状、売買すること自体で法令違反を問われることはありません。
SNSアカウントの売買をお考えの方は、運営元のガイドラインに注意しながらトラブルのないよう売買活動を行いましょう。
SNSアカウントは売買可能です。実際に、自分でコンテンツを育成してアカウントを売却したり、他者のアカウントを買取して転売したりなどして生計を立てている人もいるほどです。
基本的に、SNSアカウントはタダで作ることができますが、中には「タダで作ったアカウントなんて本当に売れるの?」と思う方がいるかもしれません。繰り返しますが、SNSアカウントは売れます。
売買の相場はフォロワー数などに影響されますが、仮に1万人フォロワーを獲得しているアカウントであれば、10~100万円ほどになるでしょう。
ただし、注意したい点が1つあります。SNS運用側が提示しているガイドラインに反しないことです。ガイドラインに反した行為を行うと、最悪の場合、アカウントを凍結される恐れがあることにご注意ください。
ガイドラインの問題さえクリアできれば、SNSアカウントは売買できます。
実際に行われているSNSアカウントの売買ですが、いったい誰が、どのような目的で売買しているのでしょうか?主な売買の目的を見てみましょう。
業者または個人が特定のSNSアカウントを買取し、それを転売して利益を得るためです。たとえば、1万人のフォロワーを持つSNSアカウントを10万円で買取し、12万円で転売して2万円の利益を得る、ということです。
もちろん、買取したSNSアカウントがすぐに売れるとは限りません。目標の価格で買取してくれる買主が見つかるまで、アカウントの在庫を抱えることもあるでしょう。あるいは、結局目標の価格では売れず、収支トントンやマイナスになることがあるかもしれません。
失敗することも考慮しつつ数多くの転売案件をこなせば、トータルでは目標利益を達成できる可能性があります。
企業が自社商品のPRに活用するため、他人のSNSアカウントを買うこともあります。
もちろん、自社でSNSアカウントを育成してフォロワーを集めればPRは可能です。しかしながら、もし自社商品と親和性の高いSNSアカウントがあれば、はじめからそのアカウントを買取して既存フォロワーにリーチをかけたほうが、より効率的かつ確度の高いPRができる可能性もります。
たとえば、投資法に関するテーマで1万人のフォロワーを持つSNSアカウントがあれば、ネット証券会社はそのアカウントを求めるかもしれません。
企業からのPR案件で主な収入を得ているインフルエンサーが、より自分の収入を高くするためにSNSアカウントを買取することもあります。
PR案件とは、企業から依頼された商品をSNSで紹介する仕事のこと。一般に、「単価×フォロワー数」がインフルエンサーの報酬となります。
すでにフォロワーを多く持つSNSアカウントを買取して自分が運用すれば、インフルエンサーは、そのフォロワー数の分だけ収入が上がるかもしれません。もちろん、SNSアカウントを買取する際の初期投資は必要ですが。
収益が目的ではなく、承認欲求を満たすことを目的としてSNSアカウントを買取する人もいます。
すでに一定のフォロワーを持つSNSアカウントを買取すれば、買取直後から自分が運営するSNSのフォロワーが急増することになります。フォロワー数が増えれば、それに応じて「いいね」の数も増えるでしょう。
「多くの人が自分の存在に注目し、自分の発信した情報に賛同している」という感覚は、大なり小なり人の承認欲求を満たすものです。
SNSアカウントを売買しても、違法にはなりません。ただし、各SNSの利用規約に反する恐れがあるため、売買に際しては注意が必要です。
日本では、SNSアカウントの売買を禁止する法律は存在しません。実態を伴わないネット上の権利(アカウント)を売買する行為に対し、その法的解釈や議論、整備が進んでいないためです。
ただし、もし売買における当事者同士の取り決めを相手方が破った場合、詐欺罪などに問われる恐れはあります。たとえば、買取したアカウントが使えなかった場合、買取側は売却側に対し違法性を問える可能性があります。
2024年9月現在、SNSアカウントの売買は違法ではありませんが、各SNSの利用ガイドラインに反する可能性が高いことも理解しておきましょう。
仮にアカウント売買を禁止しているSNSで売買が行われ、かつ運営元に売買行為が知られた場合、運営元の判断でそのアカウントが凍結される恐れもあります。凍結されれば、アカウントの買取側は、販売側に対して黙っていないでしょう。
ちなみに、アカウントの売買行為について、主なSNSでは次のようなガイドラインを敷いています(2024年9月現在)。
国民生活センターのまとめによると、SNSを媒体とした個人取引や広告における相談件数は、2023年度で過去最多の約79,000件でした。2019年度に比べると実に3倍近い数字です。
もちろん、これらの相談が全てSNSアカウントの売買に関するものとは限りませんが、全体的な相談件数が急増している以上は、アカウント売買に関する相談件数も増えていると考えるのが妥当です。
アカウント売買において特に注意したいトラブルが、アカウント売買後における運営元からの凍結措置。高額な対価を支払って買取したアカウントが凍結されれば、支払い済みの代金等をめぐりトラブルへ発展する可能性があるでしょう。
SNSアカウントを売買する主な2つの方法をご紹介します。
1つ目が、個人で交渉する方法です。
「このSNSアカウントが欲しい!」と思ったら、そのアカウントを持つ本人にDMで売却してほしい旨を伝えます。逆に、「自分のSNSアカウントを売りたい!」と思ったら、買取しそうな方へDMで売却したい旨を伝えるか、もしくは買取したいという方からのDMを待ちます。
もし相手方に売買の意向があるならば、後は価格交渉や各種の引継ぎを経て、売買成立する可能性があるでしょう。
ただし、個人交渉の場合はトラブルに遭遇する懸念もある点にご注意ください。トラブルの例としては、「当初聞いていたフォロワー数やインサイトが虚偽だった」「買取代金を振り込んだとたん音信不通になった」「買取後、すぐにアカウントが凍結された」「先にアカウントを譲渡したら入金されない」など。個人交渉での売買である以上、これらのトラブルへの対応も基本的に個人交渉となるため、事は大変厄介になります。
2つ目が、SNSアカウント売買専門サイトを利用する方法です。
SNSアカウント売買専門サイトをご存じでない方は、適切なワードで検索してみてください。多くのサイトが見つかります。
これらの専門サイトを利用した場合、手数料がかかる場合もありますが、個人交渉に比べて、トラブルのリスクは大幅に軽減されます。個人交渉を成立させるためには一定のコツが必要なので、売買が初めての方はSNSアカウント売買専門サイトを利用したほうが安心かもしれません。
SNSアカウント売買専門サイトを利用した売買の流れについて、「売却する側」の視点から見てみましょう。
少しでも高い価格でSNSアカウントを売却するためには、買取する側に「買いたい」と思ってもらえるような魅力的なアカウントに育成する必要があります。フォロワーの獲得やエンゲージメント率の向上などを通じ、説得力のある数字が生まれるまでしっかりとアカウントを育成しましょう。
アカウントの育成方法は、意外に難しくありません。基本的な姿勢は、定期的に投稿を行うのみです。
ただし、テーマやコンセプトに一貫性のないランダムな投稿を続けても、なかなかフォロワーは増えません。また、いかに見映えの良い投稿を行っても、読者・視聴者に直接役立つ情報が提供されていないならば、劇的にフォロワー数を伸ばすことは難しいでしょう。
一定のテーマやコンセプトに沿って、読者・視聴者に役立つ情報を定期的に投稿し続ければ、おのずとアカウントは育成されていきます。
アカウントが育成されたら、具体的な売却活動へ入ります。
売却活動の主な方法は、上でご紹介した「個人で交渉」か「売買サイトを使うこと」のどちらか。両方を並行して売却活動を進めても構いませんが、SNSアカウントの売却について初心者の方、トラブルのリスクを避けない方、個人交渉の手間を省きたい方などは、専門の売買サイトを利用したほうが無難です。
なお個人交渉の場合、基本的には買取を希望する方からのDMを待つのみの営業となる可能性があります。すぐに買取希望者が現れるかもしれませんが、果てしなく待ち続けることになる可能性もあります。
個人交渉、もしくは売買サイトを通じてアカウント買取者が決まったら、正式に売買を成立させます。
売買サイトで売買する場合には、各サイトの指示にしたがって手続きを行いましょう。個人交渉で売買する場合には、双方で納得できる手続きを進めます。個人交渉では、リスク回避のために、事前に買主の身元確認を行う必要もあるでしょう。
買取する側からの入金を確認の上、アカウントを譲渡します。順番が逆になるとトラブルに発展しかねないため、必ず指定口座への着金が確認できてからアカウントの譲渡を行いましょう。
売買サイトを利用する場合には、サイト運営会社が間に立って入金管理することが一般的なので、支払いに関するトラブルのリスクはほぼないでしょう。