事業売却とは、事業、または事業の一部を第三者に売却することです。特定の事業だけが赤字続きで会社の業績に影響を及ぼしている場合、将来性が見込めない場合などに、会社全体の負担を軽減するために行います。
事業だけを売却するので、会社の経営権は維持できる点がメリットです。
事業売却の手続きは非常に複雑かつ多岐に渡るため、M&A仲介会社などの専門家にサポートしてもらうのがおすすめです。ただし、全ての手続きを完了するまでには、さまざまな費用や手数料が発生します。
事業売却の手続きをM&A仲介会社に依頼する場合、発生する手数料の種類と相場は以下の通りです。
手数料の相場は規定や法律で定められているわけではないので、M&A仲介会社によって異なります。中には、着手金やリテイナーフィーなどがなく、成功報酬だけとする会社もあるようです。リテイナーフィーを支払う場合は、M&Aの交渉期間が長引くほど支払い総額が多くなるため注意しましょう。
また、この他にも弁護士への法律相談料、公認会計士または税理士へ支払う会計士(税理士)料金、事業の価値を評価するための評価料等がかかります。M&A仲介会社によっては、これらの費用が成功報酬に含まれている場合もあります。
成功報酬は、多くの場合「レーマン方式」によって算出されます。
レーマン方式とは、取引金額に応じて一定の報酬料率を掛け合わせて手数料を決める方法です。
上記のように手数料率が決まっているため、これに取引金額を掛けて計算します。
例えば5億円で取引を行った場合は、5億円×5%=2,500万円です。ただし17億円で取引を行った場合は、
5億円×5%(取引金額が5億円以下の部分)=2,500万円
5億円×4%(取引金額が5億円超10億円以下の部分)=2,000万円
7億円×3%(取引金額が10億円超50億円以下の部分)=2,100万円
合わせて6,600万円になります。
M&Aをサポートしてくれる会社は、大きく「仲介型」と「アドバイザリー型」に分けられます。
「仲介型」とは、売り手と買い手の間に立って成約を目指すタイプのこと、「アドバイザリー型」は依頼者の立場のみから交渉を行うタイプです。アドバイザリー型は、売り手と買い手それぞれで窓口が異なるため交渉が長期化し、手数料も高くなりがちです。少しでも手数料を抑えたいなら、仲介型を選びましょう。
M&Aプラットフォームを利用するのも一つの手段です。M&Aプラットフォームとは、インターネットを介してM&Aの売り手と買い手をマッチングさせるサービスのことで、専門会社に依頼するよりも手数料が安いのが特徴です。