自社で運営しているサイトを売却したい場合には、できるだけスムーズに進めるためにもあらかじめ流れや注意点について把握しておくことが大切です。そこでこちらの記事では、サイト売却の流れやメリット・デメリット、売却時の注意点などをまとめました。
サイト売買は、その名の通りWebサイトの売買取引を行うことを指しています。取引されるサイトの例としては、アフィリエイトブログやWebサイトなど、主に収益を得る目的で運営されているものが挙げられます。ただ、近年ではSNSアカウントやYouTubeチャンネルなどが取引される事例も多くなってきているといわれています。
サイトの売却は、収益を得る目的で行われることもありますし、サイト運営を行う上で時間などのリソースが不足して手が回っていないなどの場合に行われるケースもあります。
一般的には収益が出ているサイトが売却しやすい傾向があるものの、最近ではジャンルの独自性やコンテンツの質などにより、現在はほとんど収益が出ていないサイトが売却できるケースも見られます。
サイトを売却するメリットには、自分が持っているサイトを収益化できることに加えて、サイトを運用する際にかけていた資金や時間などの負担を軽減できるなどの点が挙げられます。サイトを売却すると、アクセス数や収益性、将来性などにもよりますが数十万円から数百万円で売却できるケースもあります。
逆にデメリットとして挙げられるのは、これまで得られていた収益がなくなることが挙げられます。また、売却を行うにあたって、契約関係などで手間がかかってしまう点がデメリットとなる可能性も考えられます。
サイトを売却する際には、まず対処のサイトがどれくらいの価格で売れるのかを把握しておきましょう。現在さまざまなサイト売買サービスが提供されていますが、中には事前査定を行ってくれるところもあります。また、サイト自動査定サービスを用意している業者もありますので、適宜利用するのがおすすめです。
サイト売買サービスを利用して買い手を探す場合には、案件の掲載登録を行います。登録方法としては、自分で案件情報を入力するもの、担当者によりヒアリングが行われるものとさまざまですが、掲載にあたっては審査が必要となります。
ここでのポイントは、売却しようとするサイトに関する情報は正しく提供することです。ネガティブな部分を隠そうとせず、説明しておくことで、後々の取引トラブルも防止できます。
購入希望者が見つかったら、価格をはじめ売買に関する条件について交渉をします。また、サイトに関する具体的な質問を受ける場合もありますので、購入希望者からの質問については誠実に回答しましょう。考えられる質問としては、アクセス・収益に関する質問、運営のために必要な作業内容などが考えられます。
また、売り手側からも気になる点があれば聞いておきましょう。
売り手と買い手の間で売買に関する条件に合意できたら、売却契約を締結します。ここでしっかりと契約を結んでおくことで、後々のトラブル防止につなげられます。
サイトの価値を評価する際には、月間収益やアクセス数など「どれくらいの収益性があるか?」がポイントになってきます。そのほか、高い収益性や多くの集客を見込めるジャンルである場合には、サイトの査定価格も高くなる傾向があります。ただしこのようなサイトは競合も多いため、やはりどれくらいの収益が見込めるのかが重要です。
また、サイトの収益やPV数を高めるには、コンテンツの質・量が重要なポイントになってきますので、質の高いコンテンツがサイト内に蓄積されていると判断されれば高く評価される可能性を高められます。
売却する先を探す方法としては、「マッチングサイト(M&Aプラットフォームなど)を利用する」「個別交渉を行う」などの方法が考えられます。
サイト売買のためのマッチングサイトの利用することで、Webサイトを売りたい人と買いたい人を結びつけられます。この場合、価格や条件などサイト売却に関連する情報を登録して、サイトの買い手を探す流れになります。また、このようなサービスを利用すると、契約書作成など必要な手続きをフォローしてもらえる場合もあります。
また個別交渉の場合は、売却したい人と購入をしたい人が個人間で交渉します。この場合仲介者がいないことから仲介手数料がかからない点がメリットといえます。
売買契約の締結時には、契約書の内容について十分に確認が必要です。
さまざまなポイントが挙げられますが、例えば「譲渡範囲」については、どの範囲を譲渡するのかを交渉により決定し、契約書で規定する必要があります。譲渡対象となるものとしては、「ドメイン・サーバー」「プログラム・デザイン・コンテンツ」「会員・ユーザー」「人材」などが挙げられます。
また、合意した価格や支払い方法、支払い期限などの支払い条件についても契約書に記載します。
サイト売買にはさまざまな情報の譲渡も含まれています。中でもユーザー情報が譲渡対象となる場合には、個人情報の取り扱いについて注意することが必要です。
また、サイトを購入する振りをしながらも、重要な情報のみを抜き取ろうとするケースもあります。交渉の初期段階で詳細情報を開示しすぎた場合、ノウハウのみを抜き取られる可能性も考えられます。情報の抜き取りを目的とするなど悪意ある買主かどうかを見極めるためにも、交渉相手を限定する、交渉段階に応じて開示する情報を限定するといった工夫が必要となってきます。
まずは、サイトの移行が必要です。この段階では、買い手側にサイトのデータやドメインの引き継ぎを行い、サイトの引っ越しを行います。サイトの移行が完了すると、買い手側による検収作業が行われます。検収作業が問題なく終了すると、取引が完了します。
取引の完了後は、次のサイト運営計画などを立て、実行に移していくことになります。
サイト売却を行う場合には、おおまかな流れや注意しておくべきポイントについてあらかじめ知っておくことでスムーズに進められるようになります。また、こちらのサイトではIT事業を売却する際におすすめの業者をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。